象の鼻-麒麟の首筋.com

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連載

英語勉強① ”Bluebird“ by Charles Bukowski

最近、ボストンからの留学生に英語を教えてもらっている。学習したことを留めておくために、まとめてみたいと思う。 訳は習った内容をもとに私自身がつけた。 初回はチャールズ・ブコウスキーの「ブルーバード」という詩である。 there's a bluebird in my h…

第160回芥川賞㉒ 候補作決定(直木賞も)

きたきたきたきたきた波乱やないかい www.bunshun.co.jp www.bunshun.co.jp とりあえず私の予想と照らし合わせてみる 芥川賞候補作 実際の候補作 ・上田岳弘「ニムロッド」(『群像』12月号)→候補入り3回目(第154回以来) ・鴻池留衣「ジャップ・ン・ロー…

第160回芥川賞⑧ 番外編Ⅱ 直木賞候補作予想『夏空白花』須賀しのぶ(ポプラ社)

新聞記事を使ったチラシ、専用ツイッターなど出版社の力の入れようが伺えるこの作品。戦後、学生野球の復活に奔走する新聞社員の姿というのは直感で「読みたい!」と思ったものだった。直感は外れた。 夏空白花 作者: 須賀しのぶ 出版社/メーカー: ポプラ社 …

第160回芥川賞⑦ 候補作予想「春、死なん」紗倉まな(『群像』10月号)

群像 2018年 10 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/09/07 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る 七十歳の身体から、傍目には既に抜け落ちたと思われている性欲。それが枯渇どころか、実際には持て余すようにしている――。高齢者の性を…

第160回芥川賞⑥ 候補作予想「波に幾月」藤代泉(『文藝』秋号)

古市さんの作品がアタリだったのに対し、今度はバランスを取るように非常に退屈な作品に出会った。あまりにも退屈過ぎてわずか原稿用紙92枚の短編なのに何度も居眠りをしてしまった。藤代泉さんの「波に幾月」はつまらない作品だった。 文芸 2018年 08 月号 …

第160回芥川賞⑤ 候補作予想「平成くん、さようなら」古市憲寿(『文學界』9月号)

久しぶりの更新になってしまった。 わざわざ申し開きをする必要もないだろうが、私はこの候補作予想をするにあたって、文芸誌を購入することはほとんどない。前回の第159回のときは松井周さんの「リーダー」があまりにも素晴らしかったので『文藝』夏号を購…

第160回芥川賞④ 番外編Ⅰ 直木賞候補作予想『不在』彩瀬まる(角川書店)

彩瀬さんは2010年にR-18文学賞でデビューし第158回の直木賞候補にも挙げられた中堅作家である。前回直木賞の候補になった『くちなし』は読んでいないのだが、世評によると幻想小説であり、『やがて海へと届く』という作品で野間文芸新人賞の候補になったこと…

第160回芥川賞③ 候補作予想「シェーデル日記」四元康祐(『群像』7月号)

四元さんはもう還暦間近のベテラン詩人だ。最近は小説にも挑戦しており、数年前に野間文芸新人賞の候補にも挙げられている。 今回取り上げた「シェーデル日記」は、群像に掲載された原稿用紙100枚の中編だ。どうやらシリーズものらしい。 群像 2018年 07 月…

第159回芥川賞⑰ 番外編Ⅲ 直木賞受賞作予想決定版 『じっと手を見る』窪美澄(幻冬舎刊) 『未来』湊かなえ(双葉社刊)

室温摂氏36度、2週間前に買った和風ツナマヨのおにぎりを発見して小さく悲鳴を上げる。どれだけ疲れていても食べ物の類は絶対に粗末に扱わないことを固く誓った夏の夕方。 いよいよ芥川賞直木賞の発表が近づいてきた。すでに選考会は始まっているはずだ。ド…

第159回芥川賞⑭ 受賞作予想「風下の朱」古谷田奈月(『早稲田文学』2018年初夏号)

五代文芸誌にばかり目を取られていた私を嘲笑うように飛び出てきた候補作。ここ最近の傾向から考えれば当然あり得る線だったのだ。早稲田文学。小説トリッパーは見ていたのだが、分量的に芥川賞の範疇だった高山羽根子さんの掲載作はあまりピンとこなかった…

第159回芥川賞⑬ 番外編Ⅰ 直木賞受賞作予想『ファーストラヴ』島本理生(文藝春秋刊)

受賞作予想編、開幕からいきなり番外編。島本さんの直木賞候補作『ファーストラヴ』を読んだ。 ファーストラヴ 作者: 島本理生 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/05/31 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る いまリンクを張り付けて気付いた…

第160回芥川賞② 候補作予想「宮水をめぐる便り」二瓶哲也(『すばる』7月号)

159回の候補作が先日発表された。本当に松尾さんが(いまさら)候補に挙げられるとは。そして「藁の王」「泥海」が候補に挙げられないとは。結構驚きの結果だった。 世間が159回芥川賞に盛り上がり始めたところで、パイオニアであるおところの私は半年以上先…

第159回芥川賞⑫ 候補作決定(直木賞も)

ついに決定した第159回芥川賞候補作(と第159回直木賞候補作) 私なりの芥川賞候補作予想は次の記事にまとまっている。 tsunadaraikaneko-538.hatenablog.com 芥川賞直木賞それぞれ以下の作品が候補となっている。

第160回芥川賞① 候補作予想「窓」古川真人(『新潮』7月号)

159回の候補作はまだ発表されていないが、160回は待ってくれないのだ。さっそく候補作を予想してゆこう。 今回は古川真人さんの「窓」を取りあげる。『新潮』7月号掲載作。 新潮 2018年 07 月号 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/06/07 メディア: 雑誌 …

第159回芥川賞⑪ 候補作予想まとめ

第159回芥川賞の受賞発表は7月18日(水)に行われるそうだ。 www.bunshun.co.jp 候補作は受賞発表のだいたい一か月前に行われることが多い。今回ならば6月18日あたりだろう。 追記:ドンピシャで6/18だそうだ それに先駆けて候補作から予想するという不毛な取…

第159回芥川賞⑩ 候補作予想「藁の王」谷崎由依(『新潮』6月号)

もしかして2018年上半期は豊作なのではないだろうか。 新潮6月号に掲載された谷崎由依さんの「藁の王」を読みながらそんなことを思った。 新潮 2018年 06 月号 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/05/07 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る 原稿…

第159回芥川賞⑨ 候補作予想「美しい顔」北条裕子(『群像』6月号)

昨年の芥川賞は上半期157回、下半期158回ともに新人賞受賞作が受賞した。 こういう流れは案外無視できないものなので、講談社が刊行する『群像』の新人賞「群像新人文学賞」の受賞作を読んでみた。 群像 2018年 06 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売…

第159回芥川賞⑧ 候補作予想「もう『はい』としか言えない」松尾スズキ(『文學界』3月号)

松尾スズキさんはずいぶん前に二度ほど芥川賞の候補になったことがある。演劇畑の方が芥川賞を受賞するというのはときどきあることで、第156回の山下澄人さん、第154回の本谷有希子さん、古くは第116回の柳美里さんや第88回の唐十郎さんもいる。 それにして…

第159回芥川賞⑦ 候補作予想「羽衣子」木村紅美(『すばる』3月号)

木村さんは前回の芥川賞でも候補入りしていた。 tsunadaraikaneko-538.hatenablog.com 前作では概ね佳作だとの評価を得ながらも、受賞へと突き抜ける力は足りないとの評が下された。 私は前作を読んで 端的に言えば、作品世界がきれいに映像化できた、という…

第159回芥川賞⑥ 候補作予想「あなたの声わたしの声」小山内恵美子、「団地妻B」樺山三英(『すばる』4月号)

お次は『すばる』。『週刊少年ジャンプ』で有名だが、文芸雑誌も発行している。それが『すばる』である。 すばる2018年4月号 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2018/03/06 メディア: 雑誌 この商品を含むブログ (1件) を見る 今回は小山内恵美子さんの「あな…

第159回芥川賞⑤ 候補作予想「少年たち」水原涼(『文藝』夏号)

今回で文藝夏号の中編一挙掲載に関する文章は最後である。 トリは「少年たち」。作者の水原涼さんは文學界新人賞の出身で、受賞作は芥川賞候補にもなっている。箸にも棒にもかからなかったようだが。 今作はどんなものだろう。早速読んでみる。 文芸 2018年 …

第159回芥川賞④ 候補作予想「しき」町屋良平、「リーダー」松井周(『文藝』夏号)

今回は一気に二作読んだので、紹介も同時に行う。 文芸 2018年 05 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2018/04/07 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る

第159回芥川賞③ 候補作予想「サーラレーオ」新庄耕(『群像』5月号)

読みましたよ。新庄耕さん。「サーラレーオ」 はじめに言いますが、超傑作です。面白い小説を求めている人は5月号の『群像』をお求めください。 どこがどう傑作なのか、評論や解説といったたぐいのことは、作品とある程度距離が置けないとできないのだと思い…

第159回芥川賞② 候補作予想「泥海」陣野俊史(『文藝』夏号)

河出書房が発行する『文藝』は、五代文芸誌の中で唯一の季刊誌である。現在発売中の夏号は、前回紹介した『文學界』5月号に負けず劣らず気合が入っている。(芥川賞に対して) 文芸 2018年 05 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2018/04/07…

第159回芥川賞① 候補作予想「送り火」高橋弘希(『文學界』5月号)

芥川賞は年に2回発表を行う。今年の7月にある第159回芥川賞選考会では、昨年の12月から今年の5月までに発表された作品が対象となる。候補として発表される作品は5作前後であることが多い。 まだ候補作は正式に発表されていないが(来月発表される作品も対象…