2019-01-01から1年間の記事一覧
学者が小説を書くと周りの教授陣から冷遇されるという話を筒井康隆さんの『文学部唯野教授』で読んだ。文学賞の候補に挙がった唯野教授は身バレを恐れて辞退しようとする。しかし最近では学者が文学賞を受けることはそう珍しいことでもない。松浦寿輝さんは…
第161回の芥川賞直木賞は1作読んだだけで終わってしまった。やっぱりお祭りには参加したいので今回から頑張って読んでみようと思う。とはいってもまたしばらく読めなさそうだけど。
今回は1作を除いて全く読んでいないのだが、とにかく候補作を見た感想だけをまとめておく。 芥川賞 今村夏子「むらさきのスカートの女」(『小説トリッパ―』春号) →候補3回目、第157回「星の子」以来2年ぶり 高山羽根子「カム・ギャザー・ラウンド・ピープ…
文藝系統の青春小説をたまに読みたくなる。ちょうど本屋で平積みしていたので加藤千恵さんの『ラジオラジオラジオ!』を手に取った。 ラジオラジオラジオ! (河出文庫) 作者: 加藤千恵 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/05/07 メディア: 文庫 この…
年が明けてから「これは!」と目の覚めるような作品に出会えていなかった。ただ時間が過ぎてゆくなかで自分がすり減ってゆくような不思議な焦燥感に身悶えながら手に取ったのが江國香織さんの『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』だった。 ヤモリ、カエル、シジ…
芥川賞 受賞作 上田岳弘 「ニムロッド」 (金盥予想:大穴) 町屋良平 「1R1分34秒」 (金盥予想:本命) 直木賞 真藤順丈 『宝島』(金盥予想:無印) 予想的中率は50%を下回る。作品ごとの方向性にかなりばらつきがあり選考の場でどのような議論があったの…
お祭りに備えて私は早退してきた。 年に二度。お祭りとしてはしょっちゅうやりすぎの感あり。でも回数減ったら悲しいからこのままで。 それでは最終的な受賞予想を発表しよう。今回は本家の結果をシビアに予想する。しかし隠し切れない私の好みがもれいづる…
ベルリンは晴れているか 作者: 深緑野分 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2018/10/26 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る ミステリーとして評価が高い印象だが、むしろミステリーは付加的な要素だった。骨子にはWWⅡやナチスがドイツに遺した…
今回はできる限り一度読んだ作品も再読して受賞作予想をしようと思う。 tsunadaraikaneko-538.hatenablog.com 再読したところ「こんなに薄い話だったか」という感想を抱いた。知らない世界を垣間見ることができたというところにこの作品の面白さはあったのだ…
このタイミングで今年の最高傑作に出会えるとは思わなかった 童の神 作者: 今村翔吾 出版社/メーカー: 角川春樹事務所 発売日: 2018/09/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る