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2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

第40回野間文芸新人賞① 候補作まとめ、受賞作予想『双子は驢馬に跨がって』金子薫(河出書房新社)

非公募型の純文学系新人賞として有名なものは3つある。芥川龍之介賞、三島由紀夫賞、そして今回取り上げる野間文芸新人賞である。芥川賞は文藝春秋が(本当は日本文学振興会だがややこしいのでここでは措く)、三島賞は新潮社が、野間文芸新人賞は講談社が運…

第160回芥川賞⑭ 候補作予想「わるもん」須賀ケイ(『すばる』11月号)

町屋さんの作品があまりにも深く刺さってきたので、こういう何も語っていない作品は新鮮に感じられた。まあ、つまらないということは隠しようもなかったが。 すばる2018年11月号 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2018/10/06 メディア: 雑誌 この商品を含む…

第160回芥川賞⑬ 候補作予想「1R1分34秒」町屋良平(『新潮』11月号)

期待に胸を膨らませて裏切られないことはあまりない。私は町屋さんの作品に期待しながらも悪い意味で裏切られることを予想していたので、もしかしたら心の底からは期待していなかったのかもしれない。それでも「1R1分34秒」という作品は、私の期待に応えてく…

第160回芥川賞⑫ 候補作予想「はんぷくするもの」日上秀之、「いつか深い穴に落ちるまで」山野辺太郎(『文藝』冬号)

文藝賞は2作受賞となった。実は読んだのは昨日で、読んだ直後は日上さんの「はんぷくするもの」がなかなかいいな、と思っていたのだが、一日経って、それほどだったのかな、と気持ちが揺らいでいる。 文芸 2018年 11 月号 [雑誌] 発売日: 2018/10/06 メディ…

第160回芥川賞⑪ 候補作予想「いかれころ」三国美千子(『新潮』11月号)

今月号は各紙新人賞の結果発表でにぎわっている。北条氏の作品を取りあげた際にも書いたが、昨年度の芥川賞157回158回は通算3作の受賞作が出て、全て文芸誌主催の公募型新人賞の受賞作であったという豊作(あるいは不作)であったのだ。流れと言うのは案外無…