第159回芥川賞の受賞発表は7月18日(水)に行われるそうだ。
候補作は受賞発表のだいたい一か月前に行われることが多い。今回ならば6月18日あたりだろう。
追記:ドンピシャで6/18だそうだ
それに先駆けて候補作から予想するという不毛な取り組みも一段落したため、ここで私個人の所感としての候補作予想と受賞作予想をまとめてみる。
予想候補作として以下の7篇を挙げる。
- 「もう『はい』としか言えない」松尾スズキ(『文學界』3月号)
- 「送り火」高橋弘希(『文學界』5月号)
- 「サーラレーオ」新庄耕(『群像』5月号)
- 「泥海」陣野俊史(『文藝』夏号)
- 「リーダー」松井周(『文藝』夏号)
- 「美しい顔」北条裕子(『群像』6月号)
- 「藁の王」谷崎由依(『新潮』6月号)
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近年では7作も候補に挙げられることはまずなく、ここ数年は5作以下しか挙げられていない。正直芥川賞という土俵で考えれば、新庄さんの「サーラレーオ」と、松井さんの「リーダー」は扱いづらいかもしれない。しかし読んだ中で飛びぬけて「面白い」と思ってしまったのはその2作だったのでどうしても外すわけにはいかなかった。
そしてシビアに予想した結果として、予想受賞作は
の2作と予想した。
高橋さんは候補回数や実力からいってもまず手堅い受賞だと思われる。作品の質も高かったので1作受賞の可能性も高い。
そんななかもう1作受賞と予想した谷崎さんの「藁の王」は、後半失速が見られるものの、これまで堅実に執筆を重ねてきた著者ならではの叫びが胸を衝く傑作だった。
それぞれの候補作の受賞確率は
「もう『はい』としか言えない」松尾スズキ(『文學界』3月号)→20%以下
「送り火」高橋弘希(『文學界』5月号)→80%以上
「サーラレーオ」新庄耕(『群像』5月号)20-40%
「泥海」陣野俊史(『文藝』夏号)→60-80%
「リーダー」松井周(『文藝』夏号)→20%以下
「美しい顔」北条裕子(『群像』6月号)→40-60%
「藁の王」谷崎由依(『新潮』6月号)→80%以上
と予想する。高橋さんと谷崎さんなら高橋さんをひとつ上に位置付ける。陣野さんの作品は、私には楽しめなかったが、読みどころを評価する声が上がりそうだとも思ったのでこのような予想になっている。評価する意見はほかの人の書評を参考にしてほしい。
なんだかんだいって安牌に抑えてしまうあたり自分でもかなり芥川賞っぽい予想になったと思う。新人賞受賞作へ与える流れなら北条さんに軍配が上がるが、今回の候補作群の中では一歩見劣りするだろう。
また、松尾さんも候補回数や執筆歴から言えば受賞してもおかしくないが、作品のカラーが芥川賞に合わないと判断されてしまいそうだ。
まずは候補作がどれだけ的中しているか、どんな大穴が現れるのか。そして受賞作はなんなのか。あと2か月は楽しく過ごせそうだ。