もしかして2018年上半期は豊作なのではないだろうか。
新潮6月号に掲載された谷崎由依さんの「藁の王」を読みながらそんなことを思った。
原稿用紙200枚ですって、みなさん。ご案内の通り芥川賞は長くとも250枚程度であり、200枚という分量はドンピシャなのである。
第155回受賞作の「コンビニ人間」が205枚だと言えばイメージが湧くだろうか。
続きを読む私は小説が好きなのだ。読書が、文字を読むことが好きなのだ。活字離れなんて言葉もそこかしこで聞かれる世の中で、私は文字を読むことに飢えている。
私はなぜ活字離れができないのか、なぜ世間では活字離れが進んでいると言われているのか。この不可思議は折りに触れて私の脳裡を席巻した。
基本的に義務教育以来、人々は読書尊重志向を植え付けられているので、面と向かって読書を否定されることは少ないが、陰に陽に軽んじられる趣味ではある。
「そんなに本を読んでどうするの」
「本買う分のお金でもっと身だしなみに気を遣いなよ」
「本もいいけどもっといろいろな世界を知った方がいいぞ」
私は別に読書しかしていない人間ではない。そんな人間はいない。生きていくために働いてものを食べて眠る。そんな生活の一部分に読書がしっかと根差しているというだけだ。身だしなみに関しては人に不愉快に思われないようには気を付けているのだが、同じ服をよく着ているのでこんなことを言われてしまった。服装もひとつの趣味だとは思うが押し付けられるのはたまったものではない。基本的に衣服は布であり、倫理に逸脱しない見た目を担保し、暑さ寒さやケガから身を守ることが出来れば足りているのである。衣服を趣味とする人が衣服に執着しない人に物申す態度はいかがであろうか。海外にも行くし交友関係だって無理に広げようとはしていないが世俗を絶つような勢いのものではない。すべては「読書を好むヤツ」という偏見の下に気付かれたステレオタイプなイメージだと思うのだが忠告してくれたYくんはどう言うだろうか。
続きを読むある友人から「オススメの本のリストを作ってほしい」と言われた。いい機会なのでこれまでに溺れるほどに摂取し続けた作品群の中から選りすぐりの「いやだと言っても無理にでも押し付けたい作品群」リストを作ってみようと思う。本に限らずアニメや漫画も存分に含む。
本記事は随時追記していく予定である。
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昨日、サイダーガールというバンドの「パレット」という曲がとてもいい、エンリピしていると言った舌の根も乾かぬうちに次の曲である。
神聖かまってちゃんという名前はどこかで聞いたことがあった。しかし実態を全く知らず、地下アイドルかなんかだと思っていたらすごくいいバンドのようだ。まだフロントメモリーの一曲しか知らないのでなんとも言えないが。
この動画は先日公開されたばかりで、YouTubeのおすすめに出てきたので視聴してみた。終日YouTubeに入り浸っているがこういうおすすめの類に乗ることは少ない私としては珍しい出来事だった。再生した理由はこの曲が実写映画「恋は雨上がりのように」の主題歌だったからだ。
「恋は雨上がりのように」と言えば今年の1月からフジテレビのノイタミナ枠で放送されていたテレビアニメとしてご存知の方もいるかもしれない。私はこの作品を視聴していた。大好きというほどではないが、最後の最後まで楽しみながら視聴した。
続きを読む最近セクハラが社会現象になっている気がする。人が嫌だと思うことをするな、という大原則が守られれば根本的な問題の大半は解決するのだが、人は自分が責められる事態に直面すると、非を認めにくい傾向にあるようだ。それだけでは解決しないのは女性側が立場の弱さを逆手にあることないこと吹聴する現象だ。男性も女性も大半は最低限の思いやりを身に着けて心穏やかに暮らそうとしているのに、少数の愚者が秩序を乱す。
このように物騒な世の中になってくると、性別に由来するその人の特徴に言及することに危険が伴ってしまう。
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