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第160回芥川賞㉑ 候補作予想まとめ(直木賞も)

 いよいよ明後日、12月17日の午前5時に芥川賞直木賞の候補作が発表される。どんどん寒さは強まるなかのストイックさ。いったい誰のためにこんなに朝早くに発表するんでしょうか。

 

 

 

 

 芥川賞の方はめぼしい作品は一通り目を通したが、直木賞はどうしても気になる作品が尽きることはない。まずは候補作予想に当たり目を通した作品を時系列に沿って列挙してみる。

 

芥川賞

古川真人「窓」(『新潮』7月号)

二瓶哲也「宮水をめぐる便り」(『すばる』7月号)

四元康祐「シェーデル日記」(『群像』7月号)

古市憲寿「平成くん、さようなら」(『文學界』9月号)

藤代泉「波に幾月」(『文藝』秋号)

紗倉まな「春、死なん」(『群像』10月号)

鴻池留衣「ジャップ・ン・ロール・ヒーロー」(『新潮』9月号)

石田千「鳥居」(『文學界』10月号)

坂上秋成「私のたしかな娘」(『文學界』10月号)

三国美千子「いかれころ」(『新潮』11月号)

日上秀之「はんぷくするもの」(『文藝』冬号)

山野辺太郎「いつか深い穴に落ちるまで」(『文藝』冬号)

町屋良平「1R1分34秒」(『新潮』11月号)

須賀ケイ「わるもん」(『すばる』11月号)

岸政彦「図書室」(『新潮』12月号)

上田岳弘「ニムロッド」(『群像』12月号)

舞城王太郎「裏山の凄い猿」(『群像』12月号)

 

直木賞

彩瀬まる『不在』(角川書店)

須賀しのぶ『夏空白花』(ポプラ社)

増山実『波の上のキネマ』(集英社)

朝倉かすみ『ぼくは朝日』(潮出版社)

森見登美彦『熱帯』(文藝春秋)

町田その子『ぎょらん』(新潮社)

 

 作品数だけで見ると芥川賞はずいぶん読んだなあ、という感じだが、文字数ページ数で考えると直木賞とそんなに変わらないんじゃないだろうか。読んだ直後は「結構いいな」と思った作品が多かったのだが、いま思い返すと何に感動したか思い出せない作品が多いことに驚く。とりあえず定石に従って6作程度に絞り込んでみる。

 

芥川賞候補作予想

候補作(予想)は以下の6作品である

古市憲寿「平成くん、さようなら」(『文學界』9月号)

石田千「鳥居」(『文學界』10月号)

坂上秋成「私のたしかな娘」(『文學界』10月号)

三国美千子「いかれころ」(『新潮』11月号)

町屋良平「1R1分34秒」(『新潮』11月号)

岸政彦「図書室」(『新潮』12月号)

 

直木賞候補作予想

候補作(予想)は以下の6作品である。

彩瀬まる『不在』(角川書店)

須賀しのぶ『夏空白花』(ポプラ社)

増山実『波の上のキネマ』(集英社)

森見登美彦『熱帯』(文藝春秋)

町田その子『ぎょらん』(新潮社)

・深緑野分『ベルリンは晴れているか』(筑摩書房

 

 直木賞の方はまだ読み終わっていない作品を入れてしまった。前回の159回のときは両賞ともこの人は取るだろう、という大本命があったが、今回はどちらもそういう作品がなかったような気がする。あえて言えば芥川賞は石田さん、直木賞は森見さんかなという印象だが、特に石田さんはいまひとつ決め手に欠ける。それも踏まえて、芥川賞坂上さん町屋さん、直木賞は彩瀬さんが受賞すると予想する。というか受賞にふさわしいと思う。それぞれの作品への感想はそれぞれの記事を参照してほしい。

 とにかく明後日の候補作発表を待つ。今回は時間があるので頑張って候補作をもう一巡するつもりである。