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第160回芥川賞⑨ 候補作予想「ジャップ・ン・ロール・ヒーロー」鴻池留衣(『新潮』9月号)

ひと月ほど前に一度手に取っていたのだが、あまりに読み進めることが苦痛で放り投げてしまったこの作品。下記の冒頭部分はそのときに書いたもので、この夏私はスーパー銭湯にはまっていた。わざわざ新幹線に乗る距離のスーパー銭湯にも行ったりした(もちろん用事のついでだが)。

一度は手に取ったのに放置するのも気持ち悪いので全速力で流し読みしてまとめる。そのため内容には触れない触れられない。

新潮 2018年 09 月号

新潮 2018年 09 月号

 

長い間更新もせずにぶらぶらしていた。スーパー銭湯にはたいてい「ごろ寝ルーム」に類する空間が設えられており、漫画などを読みつつだらだら過ごすことができる。wi-fiや電源も備えているところが多く、なにか作業に没頭しつつ適度に息抜きをするには最高の施設なのだ。もちろんお風呂も入りたい時に入れる。サウナ、水風呂、外気浴で整うという通説を実証するためにお試しで行ってみたのだが、存外ハマりこんでしまった。


サウナとトリシティでととのった

私はこの動画でサウナと虹コンにハマった。肝腎のトリシティを購入する予定はない。

 

近況報告はさておき、今回読んでみようと思ったのは『新潮』9月号掲載の「ジャップ・ン・ロール・ヒーロー」という作品だ。分量は210枚。芥川賞狙い。

と思ったが、かなり攻めた作品だ。物語は全編架空のwikipediaページの記述という設定で進む。世界は広いがwikipediaを原稿用紙210枚分も書いてしまう人はいないだろう。事実だけを淡々と書いてそこから感情やドラマが浮き上がってくるノンフィクションテイストに仕上がっているのだったら面白いのだが、wikipediaではとうていありえないような細やかな感情描写がなされてしまっていたりもする。まあこれはある仕掛けなのだが。

仕掛けと言えば、バンドメンバーに「僕」という名前の人物がおり、こいつの一人称語りのように読める仕掛けも目新しかった。目新しい以上の感想はない。

 

人物像としては喜三郎が面白かった。

登場人物のひとり、バンドマンの喜三郎を評した描写は以下の通りだ。

 そもそも喜三郎は、空手の有段者で警察を失神させ公務執行妨害緊急逮捕されたが起訴猶予で事なきを得た経験があり、二年の浪人生活の末東大に受かったが自分には合わないと判断しそこを蹴った経験があるらしい、いかがわしい人間なのだ。(P16)

 

ただ今日はどうしても読みすすめられそうにない。おそらくいま観ているプリズンブレイクが面白すぎるからだろう。

トゥイーナー

トゥイーナー

 

 

付け加えるなら最後の備考がメタい。それ以上の感想はない。

 

 

この作品は芥川賞がどうとかではない。発想一発勝負のユニークな作文に過ぎずわざわざ読むような価値のあるものではない。と流し読みしただけで断ずるのは傲慢な私。