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文学者になりきれず周縁部でおまつりさわぎをするの巻

美少女、ジェンダー、価値、偏愛 サイダーガール ”パレット”

 最近セクハラが社会現象になっている気がする。人が嫌だと思うことをするな、という大原則が守られれば根本的な問題の大半は解決するのだが、人は自分が責められる事態に直面すると、非を認めにくい傾向にあるようだ。それだけでは解決しないのは女性側が立場の弱さを逆手にあることないこと吹聴する現象だ。男性も女性も大半は最低限の思いやりを身に着けて心穏やかに暮らそうとしているのに、少数の愚者が秩序を乱す。

このように物騒な世の中になってくると、性別に由来するその人の特徴に言及することに危険が伴ってしまう。


サイダーガール“パレット”Music Video

 

しかしそんなことはどうでもいい。このMVに出演している女優さんがかわいすぎる。

全人類はこのニルフイヤの微笑みの前にひれ伏すがよい。

女優さんの名前は杉本愛里さんと言うらしいが、ここでは特に詳しくは触れない。

気になる人は名前を検索すれば

杉本愛里がかわいい!高校は?彼氏は?

的なページが腐るほど出てくるだろうから、そういう信憑性の低い情報を参考にしてほしい。

 

歌詞は甘々のラブソング。詞曰はく、ありきたりなラブソングも一興、とのこと。

MVは女子高生(便宜上”愛里ちゃん”と呼ぶ、すごく照れ臭い)の一日を覗く。ほとんどのシーンは愛里ちゃんの部屋の中。制服を着るときにカーディガンの色に悩んだり*1、ちょっと気になっている男の子からのLINEに一喜一憂したり。*2

愛里ちゃんは以前、男の子に対して「最近駅前に新しいカフェができたの知ってる?なんかね、パプアニューギニアで人気のパフェがあるらしいよ」的な会話でカフェに行きたいことをアピールしていたのだろう。男の子はそれを覚えていてバイトを休んでまで一緒に行こうと誘ってくる。「前に行きたいって言ってたカフェまだ行きたい?」「行きたい!(お目目ハートの顔文字)」行きたいに決まってるじゃん言わせないでよバカ!好き、的な。

ここからがこのMVの白眉だ。家に帰った愛里ちゃんは、男の子とカフェに行くための洋服に悩む。洋服ダンスの中身をとっかえひっかえ一人ファッションショー開催。MVを視聴する我々はその観客となる。かわいい女の子がうきうきしながら身を装うというのは本当に素敵だ。

どんな格好をしていったのかは結局わからない。しかし男の子とカフェで過ごした時間は楽しいひとときであったことは疑いようがない。曲が終わり10秒ほどの余白、確かに愛里ちゃんは浮かぬ顔をしているようにも見えるが、私はこれを高揚感をすなおに表せば暴れ出してしまいそうだから必死にこらえている表情と読んだ。何よりベッドに倒れ伏したときにぱたぱたさせた足がすべてを物語っている。

 

MV全編を通して、特に後半のファッションショーは、愛里ちゃんのどアップ映像が多くなっている。すでにいっぱしの愛里ちゃんファンとなった私にはうれしい限りだ。しかしここでいらんところに目がいってしまう。

人類は鼻の下に溝、”鼻溝”を持っている。鼻水を流す用の用水路としては位置がおかしい。いったいなんのためにあるのか、そして名前は本当に鼻溝なのか、インターネットで調べればすぐにわかるだろうがあえて謎のままにしておく。

愛里ちゃんほどの美少女であっても御多分に漏れず鼻溝を有している。立派なティアドロップ型であり、鼻溝ひとつとっても愛しい。愛おしい。微妙な窪みを指の腹で撫でたい。溝を指の腹でさすりたい。

と思っていたのだが、鼻溝を中心に愛里ちゃんの顔を捉えてみると、先ほどまで浸水していた黄金比がどこかへ崩れ去り、なんだかよくわからない気持ちになってしまうのだ。おそらくこれはゲシュタルト崩壊と呼ばれる現象ではないかと思われる。年甲斐もなく惚れてしまった同じ日にもうすでにゲシュタルト崩壊を招いたのである。

例えば街中で一目ぼれしてもゲシュタルト崩壊するほどその人を見つめることはできない。しかしYouTubeの愛里ちゃんはどれだけ見つめ合っても嫌な顔をしない。おそらくはじめてこのMVを再生してから控えめに言って1時間はリピート再生していた。歌詞を調べながら、愛里ちゃんの感情の機微を負いながら、ドラムやベースなど楽器ごとの音に集中しながら、ただ口をぽかんと開けて愛里ちゃんを見つめながら。

再び我に帰ったときには鼻溝を含めてやはり愛里ちゃんはかわいいと思うようになっている。

 

最後にひとつだけ苦言を呈すると、この曲のbpmは散歩に向かない。スネアのビートに合わせて、一歩の次のまた一歩を踏み出してゆくとたちまち息が上がる。いつも7分かかる駅からの帰り道なのに、今日はこの曲が始まって終わるまでの4分弱しかかからなかった。家に着いた時には背中が汗でびしょびしょだった。速足で歩きたい人には向いているかもしれない。ビートに歩みを進められたのは松任谷由実さんのDESTINY以来の経験だ。

*1:ハンガーから外したベストを前に当ててみるときにハンガーを足の間に挟んでいるところがポイント

*2:すでにMVを視聴した方は「LINE見るのは通学路だろ!」とお思いかもしれないが、よく見てほしい。登校路で男の子から送られてくるメッセージは「バイトかもー、、、」「バイトの後の少しなら」なのだ。これは愛里ちゃんが部屋で男の子にLINEを送っていたと考えるのが自然だ。LINEを送った描写は非常に少ないが、1分30秒のあたりで愛里ちゃんがiPhoneを操っている描写がある。あとこの場面に関しては、愛里ちゃんが持っているiPhoneがSEであることも特筆すべきであろう。自撮り命の女子高生がえげつなく機能の高いカメラを搭載したiPhone7や8などを贖うなか、「私はこれでいいの」とちっちゃいSEを持っているだけで、好感度は大気圏を突破している