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文学者になりきれず周縁部でおまつりさわぎをするの巻

頑張れた方がいいに決まってるじゃないか ~ふたご 藤崎彩織~

今さら『ふたご』に関して言うことはない。腐るほど書評があるので好きに探してほしい。

ふたご

ふたご

 

 

 

私がこの作品から得たものはあまり大きくないが、「頑張れた方がいいに決まってるじゃないか」というセリフだけ頭を離れない。

頑張れる人と頑張れない人はいる。頑張れる時期と頑張れない時期はある。頑張れない人間を最も軽蔑しているのは、ほかでもない頑張れない自分自身だ。やる気とかそういう訳のわからないものに左右されて、全く何も思いつかず、やらなければならないことを目の前にしたまま、1ヶ月手をつけられないことなどざらにある。

上にも言ったが、そんなとき最も厭悪の念を抱いているのは頑張れない人間自身だ。

罷り間違っても他者が譏るようなマネをしてはいけない。

頑張れないのどつぼにさらに深く嵌る罠だ。

謗られた人は、頑張れない自分を見つめ直す。しかし頑張れない要因は自分の中にはない。自分を見つめ直そうとする行為の先には虚空を見つめるだけのどつぼが口を開けているのだ。

頑張れるなら頑張りたいのだ。

頑張れないことは苦痛なのだ。

しかしやはり頑張れないのだ。

プロはいつでも求められたものを返さなければやっていけない。頑張れないという状況は死活問題だ。

頑張りは絶対に思い通りにならないが、頑張れなくても結果を出せるようになることが必要なのかもしれない。

 

頑張れないを甘えと捉えることは簡単だ。しかしそれは遠い立場からレッテルを貼っているだけで本質的に何の意味もない。

もっと考えろ衆愚